2014年3月4日火曜日


平均博報堂社員

 今でも広告業界は、就活生に根強い人気がある。電通や博報堂といった、通称、電博は広告業界の中でも二強の位置にあり、彼らの存在はメディアに対して相当な影響力を与えている。特に、テレビCMなんかは、代理店を通さないと放映してはいけないという(暗黙の?)ルールがあるみたいだ。なんという殿様営業。


今回は、その二強代理店のうち電通ではない博報堂のおもしろサイトをご紹介。使うネタは平均博報堂社員(参照:http://h-mp-recruit.jp/2015/heikinhakuhodo/


目次
  1. これは何?
  2. 何がいいの?
  3. 問題点
  4. 平均の誤解
  5. 私見


これは何?

 いわゆる就活生公募サイトなわけだけど、ユニークなのは”平均”を全面に押し出しているところ。普通というか通常は、就活は何かに特化もしくは特別な人を求めているところが多く、いたって平均的な人は退屈、つまらない、印象に残らない人だとみなされてしまう。そのために就活生は、自分はとてもスゴくて特別でギラついた人生を歩んできましたよアピールをすることになる。いわゆる「何者」状態だ。

何がいいの?

 博報堂の目論見としては、もちろん求人数の増加であって、そのために就活生の企業選びの敷居を下げる策略として親しみやすく平均的な人物像を推し出したのかなとか思うんだけど、広告代理店(しかも博報堂)はそんなことする必要があるの?とか思って調べてみたら人気度で言うとちょっと下降していっているみたい。

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 まだまだTop50位内にいるのはさすがだなとは思うけど、正直な感想としては人気落ちちゃったなーってところで。原因としては、IT系・Web系ベンチャーの人気が高まったこととかちょっと前に反響があったブログの「博報堂を辞めました。」(参照:http://shimpe1.com/?p=84)とかで、結構、大手志向の人が減少してることなのかなとか思うわけです。

問題点

 ”平均”を押し出して、親しみやすさを醸し出すユニークなアイディアなのかもしれないが、この求人宣伝はある種の(というかむしろ)「広告」であることは言うまでもない。広告の世界、特にインターネットが基盤となった今では「平均」はむしろ消極的な単語になるのではないかと思う。

 理由としてあるのは、ネットではより厳密にその人に見合った広告を打ち出せるから、というものがある。昔みたいに、マスメディア上にアトランダムに情報を垂れ流せば見込み客を確保できる時代は終わっている。今は、その人に見合った(趣味、好み、嗜好等)広告を特定の人に打ち出すことが出来る。大衆メディアにも特徴があって、一概に無用とは言えないけど、採算が悪いのではないかと思っている。大衆メディアは、今だ未完成なのだ。

 もう一つは、業界的に「平均」は本質ではないから、というもの。詳細は後段に書いたけど、広告業界、特にこの平均博報堂社員は″平均″ではなくきわめて「特殊」な人物であると思う。それなのに、平均を全面に押し出してしまうと、広告業界で働く社員の特性から離れてしまう。せっかく求人宣伝をしているのに、狙っていないもしくは不適当な人材がやってきてしまうのは、企業と就活生双方によろしくない。


平均の誤解

 ここまで平均を推していながら、″本当″は平均的じゃないってところがある。ここいう「平均的」人物像ってのは、ある一定の上位層の中の計測可能な人物を平均化し母数にした場合に算出された平均値ってことで、実はきわめて「超特殊」な人物ってことになると思うんだよね。わかりやすいように図にしてみたから、反論は見た後で。


(もっと絵心が欲しい)

上の図の通り、博報堂で働いている一部の人らの平均値が今回の平均博報堂社員ということになっているのではないかと思うわけだ。そして、非難されたくないから先に言っておくと「その他」というのは、いわゆる博報堂ではないという意味で、ピラミッドの下部に書いたのは、わかりやすいように書いただけなので、誤解のないように。(イジメ、ダメ、ゼッタイ)。


私見

 とかいいつつ、このWebサイトはおもしろい。シュミレーションゲームの要素もあって、事前に設定されている会話を選択したら、向こうが「平均的」な声音で受け答えしてくれるところとか、恋愛シュミレーションゲームのラブプラスを彷彿させる。


コナミの『ときめきメモリアル』シリーズをはじめ、従来の恋愛シミュレーションゲームの大半は恋人になることがゲームの目的であったのに対し、ラブプラスシリーズはヒロインがプレイヤーの「彼女(恋人)」になってからがゲームの中心であることが最大の特徴として挙げられる。プロデューサーの内田明理によると、「長く楽しめるゲームにしたかった」ため、「攻略すれば終わり」ではなく、恋人となってからの毎日がエンドレスで続く構成となった。ただし、誰とも恋人にならずに100日が経過すると、卒業となりゲームオーバーとなる。(参照:wikipedia:ラブプラス



 そして、この記事は決して博報堂を否定している記事ではない。むしろ、博報堂という会社は素敵で、すごく楽しそうな会社だ。知人で当企業に通勤している人は、すごく活き活きしているし、好奇心旺盛でトレンドに物凄く強く、グルメーが多く、休日の遊び方を知り尽くし満喫している人が大変多い。ただ、このアイディアはユニークだけど、いくつかの問題もあるよねってことを言いたかったわけでした。おわり。


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